白頭ワシの『絶滅危機種』リスト除外に対するホピ部族政府の見解
新聞記事の翻訳です
連邦政府主導の白頭ワシ管理に対するホピ部族政府(ホピ部族政府文化保存局局長リー・クワンウィシウマ氏)の見解が新聞記事になっていました。
2007年6月12日発行 NAVAHO-HOPI OBSERVER紙の翻訳
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「『絶滅危機種』リストからの白頭ワシ除外にホピ部族政府が反発」
記事:スタン・ビンデル
キコツモヴィより。
ホピ部族政府は、アメリカ合衆国連邦政府による「絶滅危機種リスト」からの白頭ワシ除外案に反対するためにアリゾナ州内外の他の部族政府との連携を開始している。
保留地内にて多くのワシが発見されているため、部族政府連合は立案過程で連邦政府から何らかの相談を受けなかったこと、そして白頭ワシの管理についての議論に加えられなかったことについても怒りをあらわにしている。
合衆国連邦裁判所は6月30日までにリストから除外するかどうかを決定するよう定めている。白頭ワシは絶滅寸前種として1978年にリストに登録されたが、その後1995年には絶滅危機種(という危険度の一段階低いカテゴリー)に格下げされた。そして絶滅危機種リストからの除外についての案は1999年に提起された。
アリゾナ州インディアン事務局(The Arizona Commission on Indian Affairs)は、連邦政府による白頭ワシのリスト除外案に反対する諸部族政府をサポートするための決議案を起草した。全米アメリカ・インディアン会議(The National Congress of American Indians)も同様に、リスト除外に反対する意見を表明している。
ホピ部族政府の文化保存局局長のリー・クワンウィシウマ氏は以下のように述べる。他の州とは異なりアリゾナ州では白頭ワシの個体数は回復していないことは数字からも明かである。合衆国全土では7600羽の白頭ワシがいるが、アリゾナ州には42羽のつがいしかいない、と。
「アリゾナ州における白頭ワシの将来的な繁殖に確信が持てないことは明らかだ」と、クワンウィシウマ氏は続ける。彼によるとアリゾナ州内の白頭ワシの生息地はヴェルデ・リヴァー、ソルト・リヴァー・キャニオン、モルモン・レイクの三箇所のみである。アリゾナ州内の42のつがいの内、20はインディアン保留地で生息していると説明する。(しかし)「(関係する)部族政府は連邦政府や州政府によって合議された話し合いに招聘されることはなかった」と述べる。
白頭ワシの管理は現在、合衆国狩猟局(US Dep. of Game and Fish:公式訳語不明)によって実施されているが、仮に白頭ワシがリストから除かれれば州政府がワシの監視を引き継ぐことになるだろう。クワンウィシウマ氏によると、もし州政府が白頭ワシの管理を継承した場合、州政府側がインディアン諸部族を参加させるかどうかは不明だという。「合衆国狩猟局は政府間(おそらく合衆国政府とインディアン諸部族政府)関係にひどい汚点を残した。」加えて、アリゾナ州のインディアン部族政府は連邦政府によるリスト除外が起こった場合、アリゾナ州は例外的措置として除外の対象としないことを連邦政府に打診していることをクワンウィシウマ氏は明らかにした。
米国魚類野生生物局(US Fish and Wildlife Service)は2007年5月9日、アリゾナ州フィニックスにて、アリゾナ州内のインディアン諸部族政府要人を招き、連邦政府がリストからの除外に向けた動きを示していることおよびそれに対する部族政府からの反応に耳を傾けることを説明する会合を開いた。
米国魚類野生生物局の地区局長ベンジャミン・タッグルは、部族政府の代表者達にリストからの除外はワシントンDCの意向であること、そしてその背景には科学的実証主義と合衆国の国家的再生努力(national recovery effort)が関与していることを説明した。
ホピ部族政府の副チェアマンであるトッド・ホンヤオマ・シニア氏はそうした会議に何度か出席している。しかしクワンウィシウマ氏によると、最近チェアマンに就任したベン・ヌヴァムサ氏はまだまだこの議論に追いついていないという。
サンカルロス・アパッチ部族政府はリストからの除外議論のまっただ中に位置する。なぜなら彼らの保留地は多くの白頭ワシが巣を作るソルト・リヴァーに面しているからだ。
ホピ部族政府とナヴァホ・ネーションは、イヌワシの管理に関する事前合意に達している。ホピ部族政府の文化保存局局長クワンウィシウマ氏は今夏二つの部族政府(ホピとナヴァホ)が白頭ワシの管理について話し合いの場を持つことを提案する。
「白頭ワシはホピにとって崇拝対象である」とクワンウィシウマ氏。さらに白頭ワシは1940年代までにはコロラド・リヴァー沿いのループにも巣を作ったものだと回顧する(ただし彼は1950年代生まれである)。リトル・コロラド・リヴァーがダム化してから白頭ワシの生息地が失われたのだと述べる。
クワンウィシウマ氏は白頭ワシはホピの宗教にとって非常に重要な存在であり、儀礼においてワシの羽根を使用することは判例でも許可されているという。ホピには白頭ワシのソーシャル・ダンスがあり(イーグル・ダンスのこと)、ホピのアーティストの多くも白頭ワシを図案に用いて描くのだ。
5月1日にはキコツモヴィ(アリゾナ州ホピ保留地内)にて会議が開かれ、ホピ部族政府とリスト除外について議論が交わされた(主催団体不明:米国魚類野生生物局?)。
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日本語訳にあたってのコメント
現状については記事からはよく分かりませんが、議論の背景部分は理解できると思います。
ホピのアートに関心が無い方でも、環境問題や野生動物保護という文脈、もしくは合衆国政府とインディアン部族政府の関係性という視点でも興味深く読めると思います。
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連邦政府主導の白頭ワシ管理に対するホピ部族政府(ホピ部族政府文化保存局局長リー・クワンウィシウマ氏)の見解が新聞記事になっていました。
2007年6月12日発行 NAVAHO-HOPI OBSERVER紙の翻訳
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「『絶滅危機種』リストからの白頭ワシ除外にホピ部族政府が反発」
記事:スタン・ビンデル
キコツモヴィより。
ホピ部族政府は、アメリカ合衆国連邦政府による「絶滅危機種リスト」からの白頭ワシ除外案に反対するためにアリゾナ州内外の他の部族政府との連携を開始している。
保留地内にて多くのワシが発見されているため、部族政府連合は立案過程で連邦政府から何らかの相談を受けなかったこと、そして白頭ワシの管理についての議論に加えられなかったことについても怒りをあらわにしている。
合衆国連邦裁判所は6月30日までにリストから除外するかどうかを決定するよう定めている。白頭ワシは絶滅寸前種として1978年にリストに登録されたが、その後1995年には絶滅危機種(という危険度の一段階低いカテゴリー)に格下げされた。そして絶滅危機種リストからの除外についての案は1999年に提起された。
アリゾナ州インディアン事務局(The Arizona Commission on Indian Affairs)は、連邦政府による白頭ワシのリスト除外案に反対する諸部族政府をサポートするための決議案を起草した。全米アメリカ・インディアン会議(The National Congress of American Indians)も同様に、リスト除外に反対する意見を表明している。
ホピ部族政府の文化保存局局長のリー・クワンウィシウマ氏は以下のように述べる。他の州とは異なりアリゾナ州では白頭ワシの個体数は回復していないことは数字からも明かである。合衆国全土では7600羽の白頭ワシがいるが、アリゾナ州には42羽のつがいしかいない、と。
「アリゾナ州における白頭ワシの将来的な繁殖に確信が持てないことは明らかだ」と、クワンウィシウマ氏は続ける。彼によるとアリゾナ州内の白頭ワシの生息地はヴェルデ・リヴァー、ソルト・リヴァー・キャニオン、モルモン・レイクの三箇所のみである。アリゾナ州内の42のつがいの内、20はインディアン保留地で生息していると説明する。(しかし)「(関係する)部族政府は連邦政府や州政府によって合議された話し合いに招聘されることはなかった」と述べる。
白頭ワシの管理は現在、合衆国狩猟局(US Dep. of Game and Fish:公式訳語不明)によって実施されているが、仮に白頭ワシがリストから除かれれば州政府がワシの監視を引き継ぐことになるだろう。クワンウィシウマ氏によると、もし州政府が白頭ワシの管理を継承した場合、州政府側がインディアン諸部族を参加させるかどうかは不明だという。「合衆国狩猟局は政府間(おそらく合衆国政府とインディアン諸部族政府)関係にひどい汚点を残した。」加えて、アリゾナ州のインディアン部族政府は連邦政府によるリスト除外が起こった場合、アリゾナ州は例外的措置として除外の対象としないことを連邦政府に打診していることをクワンウィシウマ氏は明らかにした。
米国魚類野生生物局(US Fish and Wildlife Service)は2007年5月9日、アリゾナ州フィニックスにて、アリゾナ州内のインディアン諸部族政府要人を招き、連邦政府がリストからの除外に向けた動きを示していることおよびそれに対する部族政府からの反応に耳を傾けることを説明する会合を開いた。
米国魚類野生生物局の地区局長ベンジャミン・タッグルは、部族政府の代表者達にリストからの除外はワシントンDCの意向であること、そしてその背景には科学的実証主義と合衆国の国家的再生努力(national recovery effort)が関与していることを説明した。
ホピ部族政府の副チェアマンであるトッド・ホンヤオマ・シニア氏はそうした会議に何度か出席している。しかしクワンウィシウマ氏によると、最近チェアマンに就任したベン・ヌヴァムサ氏はまだまだこの議論に追いついていないという。
サンカルロス・アパッチ部族政府はリストからの除外議論のまっただ中に位置する。なぜなら彼らの保留地は多くの白頭ワシが巣を作るソルト・リヴァーに面しているからだ。
ホピ部族政府とナヴァホ・ネーションは、イヌワシの管理に関する事前合意に達している。ホピ部族政府の文化保存局局長クワンウィシウマ氏は今夏二つの部族政府(ホピとナヴァホ)が白頭ワシの管理について話し合いの場を持つことを提案する。
「白頭ワシはホピにとって崇拝対象である」とクワンウィシウマ氏。さらに白頭ワシは1940年代までにはコロラド・リヴァー沿いのループにも巣を作ったものだと回顧する(ただし彼は1950年代生まれである)。リトル・コロラド・リヴァーがダム化してから白頭ワシの生息地が失われたのだと述べる。
クワンウィシウマ氏は白頭ワシはホピの宗教にとって非常に重要な存在であり、儀礼においてワシの羽根を使用することは判例でも許可されているという。ホピには白頭ワシのソーシャル・ダンスがあり(イーグル・ダンスのこと)、ホピのアーティストの多くも白頭ワシを図案に用いて描くのだ。
5月1日にはキコツモヴィ(アリゾナ州ホピ保留地内)にて会議が開かれ、ホピ部族政府とリスト除外について議論が交わされた(主催団体不明:米国魚類野生生物局?)。
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日本語訳にあたってのコメント
現状については記事からはよく分かりませんが、議論の背景部分は理解できると思います。
ホピのアートに関心が無い方でも、環境問題や野生動物保護という文脈、もしくは合衆国政府とインディアン部族政府の関係性という視点でも興味深く読めると思います。
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